なぜ僕は傘屋になったのか?(4)

ところで、自分でカスタマイズできる傘・・・。
そう言われても、どうも「ピン」とこない。そんな方もいるかもしれません。今はまだ商品化に向けた開発段階なので、あまり詳しくはお話できませんが、その概要を説明すると・・・

傘の構造

上記が一般的な傘の構造になります。
僕はこの構造を3つのパーツに分解することを思いつきました。

傘を構成するパーツを3つに分解して、それらを自由自在に組み合わせることで、あなただけの傘を楽しんでもらおう。傘のデザイン・色のパリエーションを揃えてカスタマイズの“妙”を演出しよう。そう考えたのです。

まだわかりにくいかもしれません。上記の傘の構造図でいうと・・・

① ・・・石突き部分(傘の先端)
② ・・・手元部分(傘のハンドル)
③ ・・・上記以外の部分(上ろくろ~生地~親骨~受骨~中棒など)

これら3つのパーツを、複数のデザイン・色のバリエーションを揃えて用意します。
お客さんには、これら3つのパーツの中で、自分の気に入ったものをチョイスしてもらいます。そうすることで、自分の好みに合わせたオリジナルな傘が完成するという寸法です。

もちろん、すべてのパーツは同じ規格で作られていますし、互換性を持たせています。
だから、こんなアレンジだって可能になります。

例えば、「今日は洋服の色をシックな黒系統でまとめてみたから、それに合わせて①②③も黒にしてみよう♪」とか、またあるときは、「今日は清楚な白でキメたから、③は白にして、アクセントに①②は黒にしてみよう♪」といった具合に楽しんでみる。

・・・と、まぁ、要するに、僕の傘はこんな感じの数々のアイデアをカタチにしてみたのです。詳しくは、これから商品化を進める中で、当ブログで随時ご報告したいと思います。

さて、前回から少し話が横道に入ってしまいました。
eco発想に話題を戻します。

具体的には、2つのサービスで、僕なりのeco発想をカタチとして実現したいと思っています。

1)永久保証サービス(無料)
どの商品をお買い上げくださっても、僕の傘には永久保証がついています。破損・修理はすべて、お使いいただいている限り、永久に無料で保証いたします。モノが溢れる今、まだ使えるのに「修理代のほうが高くつくから」という理由で、あっさり買い換えてしまう人が増えているといいます。でも、その修理代が無料だとしたら、どうでしょう?
「買い換える」という選択肢が減るかもしれません。そうなれば当然、ゴミを削減できます。
だから、もしも気に入ってもらえたなら、できればずっと、いつまでも末永く、僕の傘を使ってください。これは僕からのお願いです。
繰り返しますが、破損・修理は永久に無料でお引き受けいたしますので。

2)ビニール傘の下取りサービス
テレビショッピングなどでやっている、テレビの下取りサービスと同じと考えてください。僕の傘の購入と同時に不要なビニール傘を下取りにしてくれれば、商品代金を割り引いて販売するつもりです。そうして下取りしたビニール傘は、僕のいる、白金台の商店街や知り合いのお店などで「無料貸し傘サービス」として活用してもらいます。こうすれば、ショッピングや、ランチ、ディナーに行った帰りに突然の雨で困ったお客さんも助かるし、サービスの一環としてお店の人たちだって喜んでくれると思うのです。
Unnecessary(不必要)からNecessary(必要)へ。この試みは、ゴミの削減にもつながりますので、まさに一石三鳥なのです。

ひとつひとつに丹精を込める。今の僕にできるのはそれだけです。
The great care is put in each one.My today being able to is only it.

とはいえ、肝心の傘の品質はどうなのか?
このことをそっちのけで、あれこれと語ってみても、納得も信用もしてもらえませんよね。
重々承知しています。最後に、僕のこだわりを少しだけ聞いてください。こだわりは3つあります。

1)Made in japan
たしかに、生産コストの安い中国などで大量生産すれば、僕の傘をもっとお求めやすい価格で提供できるのかもしれません。でも、僕はそれはやりません。良いモノを末永く使ってもらいたいからです。
洋傘は一本一本が手作りの作業工程が多い製品です。オートメーションでラインに乗せれば、あとは機械に全部おまかせというわけにはいきません。最終的には職人の熟練度合いが品質を左右する製品なのです。
ご存じの通り、日本の技術力はとても高くて精密です。僕の傘は、日本の傘職人が匠な技術とモノ作りへの熱い情熱で、それこそひとつひとつに丹精を込めて手作りで製造しています。
ちなみに・・・

・出来上がった製品(傘)も製造工場と僕の会社とでダブルチェック(検品)を行ないます
・永久保証(無料)の破損・修理も製造工場と僕の会社とで行います

2)Functional beauty
デザインについては“機能美”を追求しています。傘としての実用性を兼ね備えることはもちろん、飽きのこない、シンプルでいて洗練されたデザインを追求することが、ひとつの傘を末永く使ってもらえることにつながると信じるからです。
傘としてのトータルデザインやバリエーションは、

④ ・・・石突き部分(傘の先端)
⑤ ・・・手元部分(傘のハンドル)
⑥ ・・・上記以外の部分(上ろくろ~生地~親骨~受骨~中棒など)

それぞれの組み合わせによってアレンジできるようになっています。
どうぞカスタマイズの“妙”をお楽しみください。

3)Strength
僕の傘はすべて親骨が16本の多間傘で作ろうと思っています。
16本傘と聞くと、ひょっとすると、重さを心配されるかもしれません。でも、そのご心配には及びません。親骨は強度を残しつつ、軽量化をはかるため、特注のアルミと錆に強いカーボンで作っていますので、女性の方でも重さを感じず持ち歩いていただけます。

また、僕が多間傘にこだわる理由は2つあります。
ひとつは強度です。一般的な8本傘と比べて、親骨16本から成る傘は、何といってもやはり強度が違います。突風にあおられても、横殴りの雨にさらされても、その安心感はダントツです。
もうひとつはデザインです。16本の親骨を広げて織りなすシルエット。それは、まるで円のような美しい曲線を描くオブジェのようになるのです。さらに、伝統的な日本の「和傘」に近いその格調高いシルエットは、装いの和洋を問いませんので、あらゆるシーンで活躍してくれるはずです。

さて、雨が嫌いな僕。
僕と同じように、雨嫌いな人のためにも、雨の日が待ち遠しくなる傘を作ることで、雨の日の“楽しみ”を届けたい。そして、できることなら、僕の傘を末永く使い続けてもらうことで、ほんの少しでも地球上のゴミを減らせればいいな。

そんな想いから、僕は傘作りをはじめました。

今の僕にできること・・・
それは、傘作りにおいて、ひとつひとつに丹精を込める。これが今の僕にできることです。
あなたにも僕の想いが届きますように。

(了)

  • By 雨, 2009 年 8 月 30 日 @ 9:47 AM

    昨日お話を聞いて、とても惹かれました。
    雨女なので傘は必需品なんです。

    雨はすべての命の源だそうですが、嫌いな人が多いですよね。
    雨の日を楽しみに待てるような傘の完成を待っています。

  • By tanaka, 2009 年 8 月 30 日 @ 10:04 AM

    > 雨,さん

    コメント、どうもです!

    > 雨はすべての命の源だそうですが、嫌いな人が多いですよね。

    ですね。
    まさに、「私がいないと私を求め、私がいると私の前から逃げるものは何か?」です。

    これからもよろしくです^^

    タナカマサヒロ

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